開催にあたり

本展は、漆の国際公募展として 1989 年(平成元年)にはじまり、今回、第 12 回目の開催となります。これまで毎回、世界の十数か国から数多くの素晴らしい作品が寄せられており、「漆の新しい広がり」を考える国際的な展覧会として高い評価を得ております。

石川県は、「伝統工芸王国」として知られ、特に漆器は、輪島塗、山中漆器、金沢漆器という日本を代表する産地を有し、漆を生活文化の中で成熟させてきた歴史があります。

本展は、そうした漆を用いた新しい生活提案や新しい感性の提案などを 広く国内外に求めることにより、漆産業を活性化させることを目的に開催しています。また、漆を通じた国際交流の推進、さらには人と環境にやさしい漆という素材と技の魅力を再認識していただくことを願うものです。

開催委員会では、これまでと同様に、暮らしの中の漆から新しい感性表現としての漆まで、様々な観点からの取り組みを期待しており、本展の開催を通して漆の様々な可能性を探っていきたいと考えています。