ヤン・ゾリチャック

まずは主催者、審査員各位ならびに関係の皆様方に、国際ガラス展・金沢2022の本審査が無事終了いたしましたことをお祝い申し上げます。今回はオンラインで参加することとなったため、直接作品を見ることはかないませんでしたが、現地の方々とのやり取りのお蔭で大賞をはじめとする各賞を決定することが出来ました。
大賞には田中里姫さんの「切々、憧憬」が選ばれました。地球の型に包まれ、空が溶け合いハーモニーが生まれる、それが田中里姫さんの作品が放つ印象です。大賞に続いて、金賞にはGuimei JIANGさんと磯谷晴弘さん、銀賞にはDesislava STOILOVAさん、張慶南さん、佐々木類さんが選ばれました。また、審査員特別賞については、どれもが審査員一人一人の個性、特異性を物語っているかのようでした。それは、異なる国、地域の出身者で構成されている審査員の主観が、選んだ作品に反映されていたということです。このように、多様な価値観や意見がありながらも、一体となって普遍的な選択を導き出すことが出来るのです。審査は困難でしたが、その結果は素晴らしいものとなりました。

ところで、2022年7月3日の日曜日、私達は疑いもしなかった確信の多くが崩壊するのを目の当たりにしました。熱波に襲われたヨーロッパのマルモラーダ氷河が崩落し、植物や動物といった自然を押し流し、人命も失われるなど甚大な被害を及ぼしたのです。この出来事は私達に衝撃を与え、大切な地球に対する私達の意識を揺さぶりました。

アーティストやクリエイターが、各々の分野で、私達の地上の庭園が直面する地球温暖化への意識を高めることに貢献していくことを願っています。犠牲となった鳥類や両生類、蜘蛛や昆虫、そしてこの災害の悲劇の原因の一つでもある私達人類の犠牲者に祈りを捧げましょう。

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