講評会

開催概要と経過報告

藤原 ───── 続いて、今回の「国際ガラス展・金沢 2019」の概要とこれまでの経過等について、お手元にお配りした資料に基づき、簡単に説明させて頂きます。
お手元の資料にあるように、今回は39の国と地域から合わせて 357 点の応募を頂いています。去る 4 月 16 日には、本審査の審査員も務めて頂いている武田先生や、本日も会場にお越し頂いていますが、陶造形家で金沢美術工芸大学の元学長でもある久世建二先生をはじめ、5名の皆様で画像による 1 次審査を実施して頂き、応募のあった 357 点の中から 61 点を 1 次審査通過作品として決定して頂きました。
そして昨日、1 次審査を通過した 61 作品のうち期限内に作品が届けられた 56 作品について、実物による本審査を行って頂きました。しかし、56 作品の中には残念ながら破損により審査不能となった作品が 2 作品ありました。最終的にはそれら2作品を除く54作品について審査を行った結果、大賞や金賞をはじめとする17の各賞を、昨日、決定して頂いております。
なお、この会場には、物理的な制約等もあるので、入賞作品の中から大賞と金賞の2作品だけを展示しています。後ほどゆっくりご覧頂ければと思います。
以上、前置きが長くなりましたが、早速、講評に入らせて頂きます。ここからの進行は、1次審査にも携わって頂き、また、本審査の審査委員長も務めて頂きました、武田先生にお願いしたいと思います。武田先生、どうぞよろしくお願いいたします。

講評会

武田 ───── それでは、講評会を始めます。お手元に受賞された作家・作品についてのペーパーがあるかと思います。今日の審査員は私を含めて5名ですが、それぞれの作品について順番に講評をお願いすることになっています。
皆さんの目の前に、大賞と金賞の実作品 2 点が並んでいます。特に金賞は皆さんがお座りになっているところからは全く見えないので、どうやって見て頂いたらいいのかを考え中ですが、講評が始まったら、ご希望される方は随時ご覧頂いてもいいかと思います。その他の作品については正面のスクリーンで画像を見ながら、それぞれの審査員の先生に講評をお願いしようと思っています。
また、時間があれば、何なりとご質問を頂きたいと思います。ヤン・ゾリチャックさんはフランスでの生活が長いのですが、元々はスロバキアの生まれで、第 2 回世界現代ガラス展 World Glass Now でグランプリを取られた作家です。また、ジェイ・マスラーさんはアメリカの方で、サンフランシスコにスタジオとギャラリーをお持ちです。1982 年の第 1 回世界現代ガラス展 World Glass Now において、真っ赤なボウルが非常に印象的な作品で第2席の賞を取られました。それから、デンマークからお越しの美術評論家のボーディル・ブスク・ラーセンさんは、現在、デンマークのヘンペルガラス美術館の館長をされていて、恐らくヨーロッパ、アメリカのいろいろなガラス事情も十分ご承知かと思います。関心や興味がおありのことについて、ぜひご質問ください。
最初に、各審査員の皆さんに審査を終えての感想を手短に頂いた上で、目の前にある大賞を取られた津守さんの作品についてコメントを頂こうと思います。ゾリチャックさんからお願いします。

国際ガラス展・金沢 2019 講演会