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講評会

講評会

世界のガラス・シーンの今を展望する

今回が第13回展となる「国際ガラス展・金沢2016」 は、世界40の国と地域から374点の作品応募がありました。
4月15日㈮ の画像による1次審査会で21の国と地域77点の作品が通過しました。そして、6月30日㈭の本審査会では、21の国と地域73点の作品を審査し、17点の入賞作品が決定しました。
本審査会翌日の 7月1日㈮ に開催したこの審査結果発表・講評会では、審査員の皆様方から審査結果の報告と入賞作品に対する講評を頂くとともに、本審査を振り返っての感想やガラスの今後に対する意見などを語っていただきました。
本稿では、その概要をご紹介いたします。

日 時
平成28年7月1日 ㈮  午前 10:00 〜 正午
会 場
石川県地場産業振興センター新館1階 コンベンションホール
講 師
武田 厚
多摩美術大学客員教授、美術評論家
 
ボーディル・ブスク・ラーセン
ガラス評論家、ヘンペルガラス美術館館長
前デンマークデザインミュージアム館長(デンマーク)
 
ヤン・ゾリチャック
ガラス造形家(フランス)
 
ウィリアム・ダグラス・カールソン
ガラス造形家、マイアミ大学芸術学名誉教授(アメリカ)
 
藤田 潤
ガラス造形家、日本ガラス工芸協会理事
司 会
荒川 隆男
国際ガラス展・金沢開催委員会副委員長
(公財)石川県デザインセンター専務理事
通 訳
早川 芳子
会議通訳者(逐次通訳)

開会と講師紹介

荒川 ───── 皆さん、おはようございます。ただ今より国際ガラス展・金沢2016の審査結果発表・講評会を開催します。私は国際ガラス展・金沢開催委員会の副委員長を務めております石川県デザインセンター専務の荒川です。本日は昨日行われた本審査会の結果を発表します。さらに、今回の入賞作品について、審査員の皆さまから分かりやすくご講評を頂きたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。
 ここにお並びの審査員の先生方をご紹介します。武田厚さん、藤田潤さん、デンマークからお越しのボーディル・ブスク・ラーセンさん、フランスからお越しのヤン・ゾリチャックさん、アメリカからお越しのウィリアム・ダグラス・カールソンさんの5名です。先生方には本当にお忙しい中、遠くよりお越しいただき、ありがとうございました。また、昨日は大変素晴らしい作品の中から賞を決めるという大変な任務をお務めいただき、本当にありがとうございました。
 本日の通訳は、早川芳子さんです。どうぞよろしくお願いします。

開催概要と経過報告

荒川 ───── 本展の概要および経過について、簡単にご説明します。お手元に配布した本審査結果をご覧ください。今回は40の国と地域から374点の応募がありました。去る4月15日に、武田厚さん、陶造形家で金沢美術工芸大学前学長の久世建二さん、ガラス造形家の西悦子さん、黄金崎クリスタルパークガラスミュージアム学芸員の佐久間詔代さんの4名で、画像による第1次審査を行いました。大変厳しい審査となりましたが、世界21の国と地域の77点の作品が第1次審査を通過しました。昨日の本審査には、その第1次審査を通過した77点のうち、世界21の国と地域から73点の作品が送られてきて、昨日の本審査会で入賞作品を決定しました。大変な力作ぞろいで、本審査も大変厳しいものとなりましたが、大賞と金賞の作品は皆さまの目の前にある2点です。その他の審査結果はお手元の受賞者名簿のとおりです。
 これからの進行については、1次審査と本審査の両方の審査委員長を務めていただいた、武田厚さんにお願いしたいと思います。まずは簡単に1次審査のご報告を頂いた後、入賞作品についてのコメントを各先生から頂いて、最後に各先生方から審査を振り返っての感想、あるいは新しい世代への期待やご意見を頂ければと思います。

 
 
   

講評会

武田 ───── おはようございます。昨日受賞作品を決める審査があり、本日はその講評会です。1次審査は画像審査でしたが、最近は画像が非常に良くなったので、昔のように暗い中で目をこすりながら審査をするようなことはなく、非常にクリアな審査ができたように思います。ただ、画像で見るのと実際に見るのがいかに違うかということもよく知っているので、画像にだまされないように審査するということを意識して、率直に意見交換をしながら70数点を選びました。
 昨日の審査では、破損や未着等が数点あったため、最終的には72点を対象に5名の審査員で審査しました。審査方法は毎回同じなのですが、まず、1人8枚の札を持って、全体を眺めながら良いと思った作品に札を置いていきます。通常は2回、3回と投票を繰り返すことが多いのですが、今回は審査員の皆さんの意見で投票は1回だけとしました。その結果を受けて、大賞(グランプリ)、金賞、銀賞、奨励賞その他全てについて、作品を前に各審査員の意見を率直に述べながら話し合い、結論を出しています。従って、本日の講評会についても、各作品の講評担当者を誰にするかは既に割り当ててあります。
 今、皆さんの目の前にある2点がグランプリと金賞の作品です。実作品はこの2点のみお持ちしています。なお、2点とも寝かせているのは、どちらも非常に不安定なので、必要なときだけ立てることになっているからです。実際の展覧会ではもっとしっかり定着させる方法を考えてくださることになっています。従って、申し訳ありませんが、現在は暫定的な方法でご覧いただいています。この2点以外の作品はスクリーンに画像が映りますので、そちらをご覧いただきながらコメントを聞いていただくことになります。

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